前処理の重要さとは
メッキはすべて前処理で決まるといっても過言ではありません。メッキは金属同士を密着させて剥がれないようにし、色合いや強度を出す表面加工技術です。下地となる金属が凸凹だったり、汚れがあったりすれば、密着不良を起こし、色むらや剥がれが出てしまいます。
また下地となるメッキ素材によって、化学反応や電解反応が異なるので、薬品の温度、浸したり電気を流す時間によってメッキの厚みや強度が異なります。つまりそこには素材と的確な前処理法、メッキ加工法を選択する確かな目と技術が必要となるのです。
小林メッキでは、富山県高岡市の伝統産業でもある高岡仏具のメッキ加工で培った技術とノウハウで、前処理を行います。
残メッキの剥離
通常、メッキされたものを再メッキするということはあまりないのですが、仏具再生のご依頼をいただいたり、他社で歩留まりが悪かったメッキ不良の製品を弊社に持ち込んでいただいたりすることがあります。その際にメッキされたものを剥離する必要があります。メッキの剥離には、剥離剤を使いますが、浸漬式と電解式があります。
浸漬式
剥離剤にそのまま浸しておき、化学反応でメッキを除去していきます。
電解式
剥離剤に浸し、電気を流して電解反応を起こして、メッキの剥離をしていきます。
素地の研磨
メッキ素材の形状や材質によって研磨方法を使い分けます。弊社では主にバフ研磨、化学研磨、電解研磨を用いて下地処理を行います。
バフ研磨
布などでつくられた円形の研磨輪(バフ)に研磨剤をつけ、回転させて素材を研磨します。バフや研磨剤にも様々な種類があり、粗研磨や仕上げ研磨など工程によって使い分けます。鏡面仕上げといったものがあるなど綺麗に研磨できる一方で、複雑な形状だとバフが届かないこともあり、一定の大きさや単純な形状のものに適しています。
化学研磨
薬品に浸し化学反応によって、表面を溶解し研磨します。複雑な形状をしたものや筒状のものに適しています。
電解研磨
酸にもアルカリにも溶けてしまうような素材の場合、化学研磨だと素材が溶けてしまいます。メッキと同様に金属同士の金属に応じた『電解研磨溶液』の中で、電解反応を使って、金属の溶解とともにその金属表面を 『平滑化』し『光沢化』させます。主に、アルミやステンレスなどの難メッキ素材の前処理に用います。